暑かった夏がようやく終わりを告げ、さわやかな秋風が心地よい季節が近づいてまいりました。
この時期になると、山口県民の多くが「いよいよ、あの季節がやってきたか…」と
心を躍らせます。
そう、食の王様、**「とらふく」**のシーズンの到来です。
「ふぐ」じゃないの?
と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
ここ、本場の下関をはじめとする山口県では、古くから幸福の「福」にかけて、親しみを
込めて「ふく」と呼びます。
この記事では、山口県民である私が、愛してやまない「とらふく」の魅力を、その歴史から
絶品のコース料理、美味しい時期まで、余すところなくご紹介します。
高級なイメージがあるかもしれませんが、この記事を読み終える頃には、きっとあなたも
本場のふく料理を味わいに、山口へ旅したくなっているはずです。
なぜ山口は「ふくの本場」なのか?歴史と技が育んだ食文化

山口県、特に下関市が「ふくの本場」と呼ばれるのには、ちゃんとした理由があります。
それは、日本のふくの歴史そのものと言っても過言ではありません。
かつて、ふくは猛毒を持つことから、豊臣秀吉によって「河豚食禁止の令」が出され、
武士の間では食べることが固く禁じられていました。
しかし、その美味は庶民の間でひっそりと受け継がれていたと言われます。
この長い禁断の時代に終止符を打ったのが、初代内閣総理大臣、山口県出身の伊藤博文です。
彼が下関の料亭で、たまたま出されたふく料理のあまりの美味しさに感嘆し、
「こんなに美味いものが食べられないのはおかしい」と、時の県令に働きかけ、山口県で
ふく食が解禁されたのが明治21年のこと。
これが、日本のふく食文化が再び花開くきっかけとなりました。
以来、下関は日本のふくの中心地となり、全国から最高級のとらふくが集まる日本唯一の
ふく専門の卸売市場「南風泊(はえどまり)市場」が誕生しました。
現在も、ここから全国の名店へ、最高品質のふくが出荷されていきます。
そして何より、猛毒を持つふくを、私たちが安心して楽しめる美食へと昇華させているのが、
専門の知識と技術を持つ「ふく処理師(ふくちょうりし)」の存在です。
山口県では、厳しい試験を乗り越えた職人だけがふくを捌くことを許されており、その卓越
した技術が、本場の味と安全を支えているのです。
一度は体験したい!至福のふく料理フルコース

さて、いよいよ本題のふく料理の世界へご案内しましょう。
山口県で味わうふくのコースは、まさに「起承転結」のある、ふくの魅力を余すことなく
堪能できる物語のようです。
【起】芸術の一皿「てっさ(ふく刺し)」
コースの幕開けを飾るのは、何と言っても「てっさ」です。
職人が一寸の狂いもなく薄く引いた半透明の身が、絵皿の模様を透かして見える様は、
もはや芸術品。
箸で数枚まとめてすくい上げ、特製のポン酢に、薬味のもみじおろしや刻みネギを
ちょんとつけて口に運べば…その瞬間、誰もが言葉を失います。
コリコリとしながらも、しなやかな歯ごたえ。
そして、噛みしめるほどにじわりと広がる、淡白ながらも奥深い上品な旨味。
この唯一無二の食感と味わいこそが、多くの食通を虜にしてきた「てっさ」の真骨頂です。
【承】香ばしさがたまらない「ふくの唐揚げ・天ぷら」
淡白なてっさの次に登場することが多いのが、揚げ物です。
「ふくの唐揚げ」は、骨付きの身を豪快に揚げた一品。
衣はカリッと香ばしく、中の身は驚くほどジューシーでふわっふわ。
骨の周りについた身の旨味は格別で、思わず手づかみでしゃぶりついてしまうほどです。
ビールや日本酒との相性も抜群で、コースの中盤を大いに盛り上げてくれます。
一方、「天ぷら」はより上品な味わい。
サクッとした軽い衣の中で、ふっくらと蒸された白身は、ふく本来の繊細な
甘みを引き立てます。
塩を少しつけていただけば、その違いをより一層楽しむことができるでしょう。
【転】体の芯から温まるメインディッシュ「てっちり(ふく鍋)」
コースのクライマックスは、やはり「てっちり」です。
昆布出汁を張った土鍋に、まずはふくの骨付きのアラを入れ、じっくりと旨味を引き出します。
鍋から立ち上る湯気と、ふくの良い香りが食欲をそそります。
十分にふくの出汁が出たところで、肉厚の身や、豆腐、白菜、春菊、きのこなどの新鮮な
野菜を投入。
アラから出た濃厚な旨味と、身から出る上品な出汁が合わさった黄金色のスープは、まさに絶品。
ふっくらと火が通ったふくの身を、てっさと同様にポン酢でいただけば、刺身とはまた違った、
ほろりとした食感と深い味わいが楽しめます。

【結】〆の真髄、すべてを味わい尽くす「ふく雑炊」
てっちりを存分に楽しんだ後には、最後の、そして最高のお楽しみが待っています。
鍋に残った、ふくの旨味、野菜の甘みがすべて溶け込んだ「人生最高のスープ」にご飯を
入れ、溶き卵でふんわりととじた「ふく雑炊」です。
一口食べれば、口の中いっぱいに凝縮された旨味が広がります。
もはや他のどんな雑炊とも比べられない、圧倒的な幸福感。
これこそが、ふくコースの完璧な締めくくりです。
これを食べるためにコースを頼む、という人がいるのも頷ける、まさに〆の真髄です。
【番外編】大人の愉しみ「ひれ酒」

ふく料理をさらに楽しむための名脇役が「ひれ酒」です。
こんがりと炙ったとらふくのひれを、熱々のお燗に入れたもので、蓋を開けた瞬間に
立ち上る、独特の香ばしい香りがたまりません。
ひれの旨味がじっくりと溶け出した日本酒は、体を芯から温めてくれ、特に寒い季節の
てっちりとの相性は最高です。
ふくを味わうならいつ?県民おすすめの楽しみ方
ふくのベストシーズンは、やはり身が締まり、旨味が増す寒い時期、具体的には
11月頃から3月頃までと言われています。
特に、濃厚でクリーミーな「白子」が味わえるのは、1月から2月にかけての短い期間だけ。
この時期を狙って訪れる食通も少なくありません。
しかし、「それ以外の時期は美味しくないの?」と聞かれれば、答えは断じて「NO」です。
養殖技術の進歩により、山口県内では一年を通して、上質で美味しいとらふく料理を安定
して味わうことができます。
旬の時期に勝るとも劣らない、素晴らしいふく料理を提供してくれるお店がたくさん
ありますので、ご安心ください。
高級なイメージが先行しがちですが、楽しみ方は様々です。
特別な記念日には、老舗料亭でじっくりとフルコースを。
もう少し気軽に楽しみたいなら、ランチタイムに「ふく刺し定食」や「ふく丼」を
提供しているお店を探すのも良いでしょう。
また、下関の「唐戸市場」では、週末や祝日に「活きいき馬関街(ばかんがい)」という
イベントが開催され、握り寿司やふく汁、唐揚げなどを一品から手軽に楽しむことが
でき、観光客にも大人気です。

最後に
山口県民にとって、「ふく」は単なる高級食材ではなく、歴史と文化、そして郷土への
誇りが詰まった特別な宝物です。
その繊細な味、奥深い旨味、そして多彩な料理の数々を、ぜひ一度、本場であるこの地で
体験していただきたいと心から願っています。
山口への旅をご計画の際は、ぜひ、この至高の味覚体験を旅のハイライトに加えてみてください。
私たちが愛する「ふく」が、あなたの旅を忘れられないものにしてくれることをお約束します。
山口で、皆さんのお越しを待っちょります!
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