静岡での「RIBBONシステム」プレゼンテーション。
緊張感から解放され、安堵と共にホテルへ戻ったのは、すでに20時を過ぎていた。
心地よい疲労感はあるものの、私の心はすでに、ある一つの「目的」に向かって昂ぶっていた。
「今日は絶対に、あれを食さなければ終われない」
そう心に決めていたものがある。
それは、昼間の仕事の合間に、地元の方から教えていただいた静岡のソウルフード。
「静岡おでん」だ。
しかも、食べるなら絶対に、静岡駅近くにある名所「青葉横丁」で、と決めていた。
3月初旬。
この日はちょうど「寒の戻り」に当たり、夜の静岡は想像以上に冷え込んでいた。
しかし、その寒さこそが、熱々の「おでん」への期待をいっそう膨らませる最高のスパイスと
なる。
部屋で軽くパソコン仕事を済ませると、私は逸る気持ちを抑えながら、コートの襟を立てて寒空
の下へ飛び出した。
昭和へタイムスリップ。赤提灯が誘う迷宮

ホテルから少し歩くと、闇の中にぽっと赤提灯の明かりが浮かび上がる一角が現れた。
そこが「青葉横丁」だ。
足を踏み入れた瞬間、思わず息を呑んだ。
そこには、現代の静岡の街並みとは隔絶された、濃厚な「昭和レトロ」の空間が広がっていた。
狭い路地の両側に、小さな暖簾がひしめき合い、家々の窓からは楽しげな笑い声と、お出汁の
香りが溢れ出ている。
このノスタルジックな雰囲気に触れただけで、すでに胸がいっぱいになる。
しかし、現実は甘くない。
地元の方お墨付きの人気スポットだけあって、どの店舗も満席で、中には行列ができている店も
ある。
半分諦めかけながら路地を進んでいくと、一番奥の一軒、暖簾に「ようこ」と書かれた店の前で
ちょうど客が出てくるタイミングに遭遇した。
「今なら入れるよ」
店から出てきた常連らしき男性に声をかけられ、私は吸い込まれるように暖簾をくぐった。
これぞ、旅先での奇跡的なタイミングだ。
「ようこ」の主と、漆黒の魔力

店内はカウンター席が約8席という、こじんまりとした、秘密基地のような空間。
そのセンターには、飴色に輝く大きなおでん鍋が鎮座し、圧倒的な存在感を放っている。
鍋の中には、真っ黒なスープに浸かったおでんの串が、これでもかとばかりに詰まっている。
カウンターの中には、少々お年を召されたお姉さまがお一人。
この店のオーナーだろうか。
優しく、どこか凛とした佇まいが、この店の歴史を感じさせる。
私が席に着き、まずはビールを注文して一息ついた頃、先ほどまでいた他の客たちが次々と
帰路に就き、気づけば店内は私一人になった。
期せずして、お姉さまとサシで向き合う形となったのだ。
目の前の真っ黒なスープについて尋ねると、お姉さまは少し誇らしげに教えてくれた。
「これは醤油の色じゃないのよ。
何十年も、毎日毎日、具材の旨味を足し続けてきた出汁の色。
うちの歴史そのものね」
これぞ、静岡おでんの真髄。
継ぎ足しの出汁には、数え切れないほどの物語が染み込んでいる。
イワシ節と地酒の、完璧なるマリアージュ

おでんを注文すると、お姉さまは慣れた手つきで串を皿に上げ、上からかつお節ではなく、魚の
旨味が凝縮された「イワシ節(だし粉)」をたっぷりと振りかける。
そして、皿の縁に黄色いからしを添えて提供してくれた。これが静岡スタイルだ。
私は、静岡の地酒を熱燗で注文し、まずは定番の大根から箸をつけた。
漆黒の出汁を吸い込んだ大根は、驚くほど柔らかく、口の中でじゅわっと濃厚な旨味が広がる。
しかし、見た目ほど塩辛さはなく、意外なほどあっという間に後味が引いていく。
そこにイワシ節の香ばしさと、からしのツンとした刺激が加わり、箸が止まらない。
糸こんにゃく、たまごも、長年培われた出汁の魔力によって、至高の逸品へと昇華されていた。
熱燗をきゅっと煽る。
五臓六腑に染み渡る酒の温かさと、おでんの旨味。
寒空を歩いてきた冷え切った体が、芯から解き放たれていく。
最高の一時だ。

究極の「牛すじ」と、感動の「お通し」
そして、この夜、最も私の心を震わせたのが「牛すじ」だった。
お姉さまによると、この牛すじは、親戚のお肉屋さんから「最高の部位」をブロックで直接仕入れ
ているのだという。
しかも、他の具材のように鍋に漬けっぱなしにはしない。
注文が入ってから、こだわりの出汁鍋に投入し、絶妙な火加減で仕上げる。
運ばれてきた牛すじは、驚くほど大ぶりで、脂がキラキラと輝いている。
口に入れると、トロトロととろけるような食感。
しかし、噛むほどに肉本来の濃厚な旨味が溢れ出し、これまで食べてきた牛すじの概念が
覆された。

まさに逸品。
これを目当てに遠方から来る客がいるというのも、深く納得できた。
さらに、もう一つ、忘れてはならない存在があった。
それは、席に着いた時に提供されたお通しの「ネギポン酢」だ。
シャキシャキとした新鮮なネギに、自家製と思われる、酸味と甘みのバランスが絶妙なポン酢が
かかっている。

このシンプルながら奥深い味わいが、おでんの濃厚さの合間に絶妙なアクセントとなり、あまり
の美味しさに思わずお代わりをしてしまった。
お姉さまはニッコリと笑って、山盛りのネギポン酢を出してくれた。
人の温もりに包まれた、静岡の夜
美味しいおでんと地酒、そしてお姉さまとの色々な話。
「RIBBONシステム」のプレゼンの話、静岡の街の話、そしてこの店の話……。
客は私一人だったが、決して寂しさは感じなかった。
むしろ、お姉さまの温かい人柄と、長年この店を守り続けてきた歴史に触れ、心が豊かになって
いくのを感じた。
時計の針が22時を回る頃、私は名残惜しさを感じながら、勘定を済ませた。

暖簾をくぐり、再び寒空の下へ出る。
体は熱燗とおでんでポカポカと温かく、心は人との温もりで満たされていた。
静岡おでん。
それは単なる郷土料理ではない。
昭和の情景、継ぎ足しの歴史、そして人々の思いが詰まった、心まで温める
「魔法の食べ物」だった。
「ようこ」のお姉さま、素晴らしい夜をありがとうございました。
またいつか、あの漆黒の出汁と、究極の牛すじに会いに、この青葉横丁へ戻ってきます。
↓↓↓↓↓↓RIBBONシステムは、新規契約導入キャンペーン企画中↓↓↓↓↓↓↓↓
『RIBBON SYSTEM』で顧客フォローを最適化ハガキとSMSを組み合わせた
ハイブリッド型DM発送代行サービスで、次回車検予約率を最大化します。
RIBBON SYSTEM

【お問い合わせ】

〒745-0814 山口県周南市鼓海2丁目118番67
TEL 0834-26-0005 FAX 0834-26-0004
携帯 080-6342-1512 担当:玉野
e-mail ttamano@yama-ss.com
